今のAIブームは3回目です。過去に2度の盛り上がりがあり、どちらも「冬の時代」を迎えて下火になりました。
こんにちは、zawato(@zawato7)です!
本記事はディープラーニング入門ロードマップの第2回です。
- ENIACとダートマス会議、AI黎明期の流れ
- 第1次・第2次AIブームが終わった理由
- 第3次AIブームが今も続いている理由
AI研究はENIACとダートマス会議から始まった
「人工知能(AI)」という言葉が初めて使われたのは、1956年のダートマス会議です。
世界初の汎用コンピュータENIAC(エニアック)の完成が1946年、その10年後がダートマス会議です。ここでは世界初の人工知能プログラムであるロジック・セオリストが、数学の定理を証明できると示されました。
第1次AIブームは「探索・推論の時代」
第1次AIブームは、迷路やパズルは解けたのに、現実の問題が解けずに終わりました。
1950年代後半から1960年代、中心にあったのは探索と推論です。迷路なら、分かれ道をツリー構造に置き換えた探索木にして順にたどれば解けます。
しかし現実の問題は条件が桁違いに多く、歯が立ちません。このように簡略化した範囲でしか解けないことをトイ・プロブレム(おもちゃの問題)と呼びます。将棋の駒の動かし方は決まっていても、明日の仕事の段取りにルールブックはない、というイメージです。こうして1970年代、1度目の冬の時代を迎えます。
第2次AIブームは「知識の時代」
第2次AIブームは、専門家の知識を詰め込む方向に進み、その管理に行き詰まって終わりました。
1980年代の主役はエキスパートシステムです。質問を重ねて結論に導く、専門家の代役となるプログラムです。血液の診断支援を行うMYCIN(マイシン)や、有機化合物を特定するDENDRAL(デンドラル)が代表例で、分野を絞れば高い成果を上げました。
つまずいたのは知識を集める工程です。専門家の知識は暗黙的で、料理の名人に分量を尋ねると「適量」と返るように言葉にしにくい。引き出せても膨大で、人によって言うことが違い矛盾します。これを知識獲得のボトルネックと呼び、1990年代の2度目の冬の時代につながりました。
第3次AIブームは「機械学習と特徴表現学習の時代」
第3次AIブームは、人間が教える方式をやめてデータから学ばせる方式に変えたことで、今も続いています。
2000年代以降、インターネットに大量のデータが蓄積されて機械学習が実用段階に入り、さらに特徴表現学習、いわゆるディープラーニングが登場します。従来は「データのどこに注目すべきか」を人間が指定する必要がありましたが、ディープラーニングはそれ自体をデータから見つけ出します。
過去2回の終焉理由は、どちらも「人間が全部教えなければいけない」という壁でした。第3次はその壁を、そもそも教えないという発想で回避しています。近年の生成AIの盛り上がりを第4次AIブームと呼ぶ人もいます。
| ブーム | 時期 | 中心技術 | 終焉理由 |
|---|---|---|---|
| 第1次 | 1950年代後半〜1960年代 | 探索・推論 | トイ・プロブレム |
| 第2次 | 1980年代 | エキスパートシステム | 知識獲得のボトルネック |
| 第3次 | 2000年代〜現在 | 機械学習・特徴表現学習 | 継続中 |
取り違えやすいのがこの終焉理由です。「なぜ終わったか」をセットで覚えるのが近道です。
まとめ
- ENIACは1946年、ダートマス会議は1956年。「人工知能」もロジック・セオリストも後者で登場した
- 第1次はトイ・プロブレム、第2次は知識獲得のボトルネックで終焉した
- 第3次は機械学習と特徴表現学習の時代で、人間が教えなくてよくなったため現在も続いている
よくある質問
Q. 第1次AIブームはなぜ終わったのですか?
A. 簡略化した問題(トイ・プロブレム)しか解けず、複雑な現実の問題に対応できなかったためです。
Q. 第2次AIブームの終焉理由は何ですか?
A. 知識獲得のボトルネックです。専門家の知識は引き出しにくく、集めても膨大かつ矛盾するため保守できませんでした。
Q. 第4次AIブームという言い方は正しいのですか?
A. 一般的な区分は3度までです。現在の生成AIを第4次AIブームと呼ぶ人もいる、という位置づけで押さえれば十分です。



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