統計学

【統計検定準1級】2016年6月 選択問題及び部分記述問題 問1【解答例・解説】

この問題のテーマ・前提知識

  • テーマ: 変動係数(Coefficient of Variation)
  • 前提知識: 標準偏差・平均の定義 / 変動係数 = 標準偏差 ÷ 平均 という公式

 

 

問題の概要

2つの小問からなる。[1] 餌を替える前の豚の体重データ(平均55 kg・標準偏差11 kg)をもとに変動係数を求める。[2] 餌を替えて飼育した後の体重(平均60 kg)において、変動係数が飼育前と同じであるとき、標準偏差を求める。

 

 

解説

解法の方針:[1] 変動係数の定義式に平均・標準偏差を代入して値を求める。[2] [1] で求めた変動係数を使い、定義式を標準偏差について解く。

[1]

変動係数は、データの散らばり具合を相対的に評価するための指標であり、以下の公式で求められる。

\[変動係数 = \frac{標準偏差}{平均値}\]

餌を替える前の平均値は 55 kg、標準偏差は 11 kgであるから、

\[変動係数 = \frac{11}{55} = \frac{1}{5} = 0.2\]

従って、餌を替える前の体重の変動係数は 0.2 である。

[2]

餌を替えて飼育した後の体重の平均値は 60 kgである。

餌を替えて飼育した後の体重の標準偏差を \(s\) とおくと、

\[0.2 = \frac{s}{60}\]

従って、飼育した後の体重の標準偏差は 12 kgである。

 

 

よくある質問

Q. 変動係数と標準偏差はどう使い分けるのですか?

標準偏差は絶対的な散らばりの大きさを表し、単位を持つ。変動係数は標準偏差を平均で割った無次元量であり、単位や平均値が異なる集団どうしの散らばりを比較するときに使う。例えば体重(kg)と身長(cm)の散らばりを比べたいときは変動係数が適切。

Q. 変動係数に単位はありますか?

ない。標準偏差(単位あり)を平均(同じ単位)で割るため、単位が相殺されて無次元になる。そのため異なる指標間・異なるスケール間での散らばりの比較が可能になる。

Q. [2] で「変動係数が同じ」という条件はなぜ使えるのですか?

問題文が「飼育前と飼育後で変動係数が等しい」という条件を与えているため、[1] で求めた 0.2 をそのまま使える。この条件がなければ標準偏差は一意に定まらない。変動係数は「相対的な散らばりが変わらない」という仮定を表している。

 

 

コメント