統計学

【統計検定準1級】2015年6月 選択問題及び部分記述問題 問7【解答例・解説】

この問題のテーマ・前提知識

  • テーマ: 片側t検定・正規分布の分位点を使った母平均の設定
  • 前提知識: t分布と自由度の関係 / 片側検定と両側検定の使い分け / 標準正規分布の上側確率(\(z_{0.05}=1.645\))

 

 

問題の概要

フライドポテトの重量に関する2つの小問からなる。[1] 標本平均132.0g・標準偏差8.0g・サンプルサイズ10のデータをもとに、母平均が135gより小さいか片側t検定で判断する。[2] 重量が135gを下回る確率を5%以下にするには、母平均(目標重量)を何gに設定すればよいか求める。

 

 

解説

解法の方針:[1] t統計量を計算し自由度9のt分布表と比較して有意性を判断する。[2] 標準正規分布の5%点(\(z_{0.05}=1.645\))を使い、\(P(X<135)=0.05\) となる母平均 \(\mu\) を逆算する。

[1]

帰無仮説 \(H_0:\mu=135\) に対して対立仮説 \(H_1:\mu<135\) の片側 \(t\) 検定を行う。

\(t\) 統計量(\(t\) 検定で使う検定統計量)は、

\[\frac{132.0-135}{8.0/\sqrt{10}}\approx -1.186\]

となる。

この \(t\) 統計量は、自由度9の \(t\) 分布に従う。

\(t\) 分布表(参考)より、

\[t_{9}(0.10)=1.383\]

\[t_{9}(0.05)=1.833\]

となり、検定は有意水準 5% でも 10% でも有意ではない。

従って、この店のフライドポテトの平均重量は135gよりも小さいとは言えない。

[2]

フライドポテトの重量は正規分布に従うと仮定しているので、フライドポテトの重量を表す確率変数を、

\[X\sim N(\mu, 4^2)\]

とすると、

\[Z=\frac{X-\mu}{4}\sim N(0,1)\]

となる。

ポテトの重量が 135g を下回る確率を 0.05 以下にするためには、標準正規分布表(参考)より、

\[P(Z<-1.645)=0.05\]

であればよい。

従って、

\[\mu =135+1.645×4=141.58\]

と求まるので、おおよそ 142g に設定すれば良い。

 

 

よくある質問

Q. 片側検定と両側検定はどう使い分けるのですか?

対立仮説に方向性(「より小さい」「より大きい」)がある場合は片側検定を使う。今回は「135gより小さいか」を問うているので片側検定が適切。棄却域は \(t\) 統計量の片側のみに設定し、同じ有意水準なら両側検定より棄却しやすい(検出力が高い)点に注意。

Q. t統計量の自由度はなぜ9(=n−1)なのですか?

母分散が未知のため標本標準偏差 \(S\) で代用すると、推定に伴って自由度が1つ消費される。サンプルサイズ \(n=10\) のとき自由度は \(n-1=9\) となり、この自由度のt分布表を参照して判断する。

Q. [2]で1.645を使う根拠を教えてください。

標準正規分布において上側確率5%に対応する値が \(z_{0.05}=1.645\) である(\(P(Z \geq 1.645)=0.05\))。今回は「下回る確率を5%以下にしたい」ので、\(P(Z < -1.645)=0.05\) と置いて \(\mu\) を逆算している。

 

 

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