統計学

【統計検定準1級】2015年6月 選択問題及び部分記述問題 問11【解答例・解説】

この問題のテーマ・前提知識

  • テーマ: 直交計画(L8直交表)・2水準4因子の実験配置
  • 前提知識: 直交表の定義(各列で水準が等回数現れ、任意の2列が直交する)/ 主効果と交互作用の概念 / 直交計画における推定の独立性

 

 

問題の概要

2つの小問からなる。[1] L8直交表を用いて4因子(A・B・C・D)を2水準(1・2)で割り付ける実験計画表を完成させる。[2] 直交計画の性質に関する3つの記述(主効果の推定独立性、交互作用の仮定、全平均の解釈)の正誤を判断する。

 

 

解説

解法の方針:[1] 各列において水準1・2がそれぞれ4回ずつ現れ、かつ任意の2列が直交するよう1と2を割り当てる。[2] 直交計画の基本的性質(主効果の独立推定・交互作用の仮定・全平均の扱い)を踏まえ、各記述の正誤を判断する。

[1]

各列が直行するように 1 と 2 を割り当てる。

ここで、各列において 1 が 4 つ、2 が 4 つになることに注意して割り当てる。

実験ABCD
11111
21122
31212
41221
52112
62121
72211
82222
[2]

I:誤り。直交計画のため、主効果は他の主効果の有無に影響されず独立に推定可能。

II:正しい。直交計画は因子間の交互作用がないことを仮定している。2因子交互作用の有無には注意が必要。

Ⅲ:正しい。一般に4因子交互作用は存在しないとされている。全平均はそのまま解釈してよい。

 

 

よくある質問

Q. 直交表で「各列に1・2が等回数」という条件はなぜ必要ですか?

各水準が同じ回数現れることで、各因子の主効果を偏りなく推定できる。もし一方の水準ばかりが多いと、その因子の平均的な効果が正しく評価できず、推定が偏ってしまう。等回数性はバランス設計の基本条件。

Q. 直交計画で「主効果が独立に推定可能」とはどういう意味ですか?

2つの列が直交するとは、列間の内積がゼロになることを意味する。これにより、ある因子の水準を変えても他の因子の水準分布が変わらないため、各主効果を他の因子の影響を受けずに独立して推定できる。

Q. 直交計画では高次の交互作用はどう扱うのですか?

一般に3因子以上の高次交互作用(特に4因子交互作用)は実質的にゼロと仮定して扱う。これにより実験回数を大幅に減らしつつ主効果の推定が可能になる。ただし2因子交互作用は無視できない場合があるため注意が必要。

 

 

コメント