統計学

【統計検定準1級】2015年6月 選択問題及び部分記述問題 問2【解答例・解説】

この問題のテーマ・前提知識

  • テーマ: 二項分布による確率計算・抜き取り検査(生産者危険・消費者危険)
  • 前提知識: 二項分布 \(B(n,p)\) の確率関数 / 生産者危険(良品ロットが不合格になる確率)と消費者危険(不良ロットが合格になる確率)の定義

 

 

問題の概要

2つの小問からなる。[1] 不良品率 \(p\) のロットから5個を無作為抽出したとき、\(p=0.4\) かつ不良品数 \(r=2\) となる確率を二項分布で求める。[2] 同じ抜き取り検査モデルで、不良品率 0.2 のときの生産者危険と不良品率 0.5 のときの消費者危険を算出する。

 

 

解説

解法の方針:[1] 不良品数が二項分布 \(B(5,p)\) に従うことを確認し、\(p=0.4,\,r=2\) を代入して確率を求める。[2] 与えられた確率表を読み取り、生産者危険は \(P(X\geq2|p=0.2)\)、消費者危険は \(P(X\leq1|p=0.5)\) として合計する。

[1]

不良品の個数を\(X\)とすると、\(X=r\)となる確率は二項分布に従い、

\[P(X=r|p)=B(5, p)={}_5 C_r\,p^r(1-p)^{5-r}\]

となる。

\(p=0.4\)、\(r=2\)のときの確率は、

\[P(X=2|0.4)={}_5 C_2\,0.4^2(1-0.4)^{5-2}=0.3456\]

となり、小数点以下第3位を四捨五入すると 0.35 となる。

[2]

不良品率が 0.2 のときの生産者危険は、

\[P(X\geq2|p=0.2)=0.20+0.05+0.01+0.00=0.26\]

となり、不良品率が 0.5 のときの消費者危険は、

\[P(X\leq1|p=0.5)=0.03+0.16=0.19\]

となる。

 

 

よくある質問

Q. 生産者危険と消費者危険の違いがわかりません。

生産者危険は「良品のロット(不良品率が基準以下)が検査で不合格になる確率」で、第一種の過誤に対応する。消費者危険は「不良ロット(不良品率が基準超)が検査を通過してしまう確率」で、第二種の過誤に対応する。前者は生産者にとっての損失リスク、後者は消費者にとっての品質リスクと覚えるとよい。

Q. \(P(X\geq2)\) の計算はどの確率を足せばいいですか?

\(X\geq2\) は \(X=2,3,4,5\) の和になる。問題に付属の確率表では各 \(r\) の値に対応する確率が読み取れるので、\(r=2,3,4,5\) の欄を合算する。余事象を使って \(1-P(X\leq1)\) と計算しても同じ結果が得られる。

Q. なぜ不良品数が二項分布に従うのですか?

各個体の検査は「不良品か否か」の2値で独立に行われ、どの個体でも不良品になる確率は \(p\) で一定と仮定しているため。この3条件(2値・独立・一定の成功確率)が揃うと、成功数の分布は二項分布 \(B(n,p)\) になる。

 

 

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