解説
[1]
図1の原系列(現金給与総額の時系列プロット)を見ると、1年(12ヶ月)ごとの強い周期性が確認できる。また、夏と冬の年2回支給されるボーナスの影響により、半年(6ヶ月)ごとの周期も明確に観察される。
自己相関関数(ACF)をグラフ化したコレログラムにおいては、データが持つ周期と同じラグ(遅れ)のときに強い正の相関が現れる。このデータの場合、1年(ラグ12)と半年(ラグ6)の強い周期があるため、ラグが6の倍数(6, 12, 18…)のときのみ自己相関係数が正で有意な値を示すことになる。
従って、正解は ⑤ である。
[2]
図2は、時系列データを上から順に「原系列 (data)」「季節成分 (seasonal)」「トレンド成分 (trend)」「不規則成分 (remainder)」に分解したものである。各選択肢について、グラフから読み取れる内容を検証する。
⑤について: 不規則成分 (remainder) と季節成分 (seasonal) のグラフを見比べると、不規則成分は完全にランダムではなく、季節成分のピークの時期(ボーナス月)に合わせて下向きに大きな振れ幅(分散)を持つ傾向がある。このように、不規則成分の分散にまだ季節性の影響が残ってしまっているため、完全にランダムな変動である「ホワイトノイズ」とみなすことはできない。(この記述は誤り)
①について: トレンド成分 (trend) のグラフの動きから、直近の数ヶ月(2016年末から2017年にかけて)で右肩上がりの直線が横ばいになっており、停滞していることが読み取れる。
②について: トレンド成分の縦軸の値を確認すると、2012年時点の約280(千円)から、直近のピークでは約292(千円)に上昇している。その差は約12(千円)となり、概ね1万円程度の上昇であることがわかる。
③について: 季節成分 (seasonal) のグラフの動きから、1年の中に2回のピークが存在している。これは夏と冬の年2回のボーナスの影響を抽出したものであると解釈できる。
④について: 季節成分の縦軸の値を読むと、一番低い谷の部分が約-50、高いピークの部分が150を超えている。したがって、その差は少なくとも 150 – (-50) = 200(千円)となり、20万円以上の差があることがわかる。
従って、正しい解釈と言えないものは ⑤ である。


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