統計学

【統計検定準1級】2016年6月 選択問題及び部分記述問題 問10【解答例・解説】

解説

[1]

これは、どのトピックに分類されているかに関わらず、事象 \(B\) が起こる確率 \(P(B)\) を求める問題である。

全確率の定理を用いて、各トピックで「株価」を含む確率を足し合わせる。

\[P(B) = P(B \cap T_1) + P(B \cap T_2) + P(B \cap T_3)\]

\[P(B) = P(B|T_1)P(T_1) + P(B|T_2)P(T_2) + P(B|T_3)P(T_3)\]

与えられた数値を代入して計算する。

\[P(B) = 0.10 \times 0.2 + 0.40 \times 0.3 + 0.10 \times 0.5 = 0.19\]

従って、正解は ② 0.19 である。

[2]

まず、「『国会』を含み、『株価』を含まない」という事象を \(C\) とおくと、事象 \(C\) は \(A \cap \bar{B}\) と表せる。

求める値は、「事象 \(C\) が起こったという条件の下でトピックが『政治』である確率 \(P(T_1|C)\)」が、「事象 \(C\) が起こったという条件の下でトピックが『経済』である確率 \(P(T_2|C)\)」の何倍か、つまり以下の比となる。

\[\frac{P(T_1|C)}{P(T_2|C)}\]

ベイズの定理より、それぞれの条件付き確率は次のように表される。

\[P(T_1|C) = \frac{P(C|T_1)P(T_1)}{P(C)}\]

\[P(T_2|C) = \frac{P(C|T_2)P(T_2)}{P(C)}\]

比を求めると分母の \(P(C)\) は約分されるため、計算に必要なのは分子の部分だけである。

\[\frac{P(T_1|C)}{P(T_2|C)} = \frac{P(C|T_1)P(T_1)}{P(C|T_2)P(T_2)}\]

次に、\(P(C|T_1)\) と \(P(C|T_2)\) を計算する。

問題文に「各トピックに分類される記事に対して、『国会』と『株価』を含むかどうかは条件付き独立とする」とある。これは、あるトピックが与えられた下では、事象 \(A\) と事象 \(B\)(およびその余事象)が独立に起こるということを意味する。

よって、\(P(C|T_1)\) は、

\[P(C|T_1) = P(A \cap \bar{B} | T_1) = P(A|T_1) \times P(\bar{B}|T_1)\]

とわかる。

ここで、\(P(\bar{B}|T_1) = 1 – P(B|T_1)\) であるから、

\[P(C|T_1) = 0.30 \times (1 – 0.10) = 0.30 \times 0.90 = 0.27\]

同様に、\(P(C|T_2)\) を計算する。

\[P(C|T_2) = P(A \cap \bar{B} | T_2) = P(A|T_2) \times P(\bar{B}|T_2)\]

\[P(C|T_2) = 0.10 \times (1 – 0.40) = 0.10 \times 0.60 = 0.06\]

これらの値と、最初に確認した \(P(T_1) = 0.2, P(T_2) = 0.3\) を比の式に代入する。

\[\frac{P(T_1|C)}{P(T_2|C)} = \frac{0.27 \times 0.2}{0.06 \times 0.3} = \frac{0.054}{0.018} = 3\]

従って、正解は ④ 3倍 である。

 

 

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