解説
[1]
偏差値は、得点が平均からどれだけ離れているかを標準偏差を基準にして表した指標であり、以下の式で計算できる。
\[\text{偏差値} = 50 + 10 \times \frac{\text{得点} – \text{平均}}{\text{標準偏差}}\]
文系のAさん(得点 64 点)の偏差値
文系の集団(平均 65、標準偏差 5)における偏差値を計算する。
\[\text{Aの偏差値} = 50 + 10 \times \frac{64 – 65}{5} = 50 + 10 \times (-0.2) = 50 – 2 = 48.0\]
理系のBさん(得点 86 点)の偏差値
理系の集団(平均 80、標準偏差 3)における偏差値を計算する。
\[\text{Bの偏差値} = 50 + 10 \times \frac{86 – 80}{3} = 50 + 10 \times \frac{6}{3} = 50 + 10 \times 2 = 70.0\]
従って、正解は ③ である。
[2]
グラフを選ぶ際は、「山の位置(平均)」「山の幅(分散)」「山の高さ」の3点を確認します。
1. 山の幅(分散・標準偏差)
ここが一番のポイントであり、私が前回見落としていた部分です。
- 文系(左の山):標準偏差 5 (分散 25)
- 理系(右の山):標準偏差 3 (分散 9)
標準偏差(分散)が大きいほど、データの散らばりが大きいためグラフの山は「なだらかで幅が広く」なります。
つまり、左の山(文系)の方が、右の山(理系)よりも幅が広いグラフを選ぶ必要があります。
2. 山の高さ(混合ウェイトと分散のバランス)
山の高さは、「人数の割合(重み)」と「標準偏差」の組み合わせで決まります(割合が大きいほど高く、標準偏差が大きいほど低くなります)。
- 文系(左)の高さの目安:割合 \(\frac{2}{3}\)、標準偏差 5 より \(\to \frac{2/3}{5} = \frac{2}{15} \approx 0.133\)
- 理系(右)の高さの目安:割合 \(\frac{1}{3}\)、標準偏差 3 より \(\to \frac{1/3}{3} = \frac{1}{9} \approx 0.111\)
計算の結果、\(0.133 > 0.111\) となり、「左の山の方が少しだけ高い」ことがわかります。
この2つの条件を完璧に満たしているため、正解は ② である。
[3]
60点以上を合格としたときの、受講生全体の合格率を求める。
文系と理系、それぞれの集団における合格率を計算し、人数比で加重平均をとる。
文系の合格率
平均 65、標準偏差 5 の正規分布において、60 点以上となる確率を求める。まず、60 点を標準化する。
\[Z = \frac{60 – 65}{5} = -1.0\]
標準正規分布において、\(Z \ge -1.0\) となる確率を求める。正規分布の性質(経験則)から、平均 \(\pm 1\) 標準偏差の範囲には全体の約 68 %が含まれるため、平均以上の 50 %に半分の 34 %を足したものが該当する確率となる。
よって、文系の合格率は約 84 % である。
理系の合格率
平均 80、標準偏差 3 の正規分布において、60 点以上となる確率を求める。
\[Z = \frac{60 – 80}{3} \approx -6.67\]
\(Z = -6.67\) という値は平均から極めて遠く離れているため、60 点以上となる確率はほぼ 100 % とみなせる。
全体の合格率
文系の割合 \(\frac{2}{3}\) と理系の割合 \(\frac{1}{3}\) を使って、全体の合格率を計算する。
\[\text{全体の合格率} \approx 0.84 \times \frac{2}{3} + 1.0 \times \frac{1}{3} = 0.56 + 0.333\dots \approx 0.893\]
つまり、全体の合格率は約 89.3 %となる。
選択肢の中で最も近い値は 90 %であるため、正解は ④ である。


コメント