解説
[1]
1. 必要な数値の確認
問題文の表から、以下の数値を読み取る。
- 有効回答数(標本サイズ):\(n = 857\)
- イチロー選手が好きだと回答した割合(標本比率):\(\hat{p} = 0.224\)
2. 95%信頼区間の公式
標本サイズが十分に大きい場合、母比率 \(p\) の 95 %信頼区間は以下の公式で求められる。
\[\left[ \hat{p} – 1.96 \sqrt{\frac{\hat{p}(1-\hat{p})}{n}}, \ \hat{p} + 1.96 \sqrt{\frac{\hat{p}(1-\hat{p})}{n}} \right]\]
3. 計算
まず、ルートの中の標準誤差を計算する。
\[\sqrt{\frac{0.224 \times (1 – 0.224)}{857}} = \sqrt{\frac{0.224 \times 0.776}{857}} = \sqrt{\frac{0.173824}{857}} \approx \sqrt{0.0002028} \approx 0.01424\]
\[1.96 \times 0.01424 \approx 0.0279\]
標本比率 \(\hat{p}\) にこの値を足し引きして区間を求める。
- 下限:\(0.224 – 0.0279 = 0.1961\)
- 上限:\(0.224 + 0.0279 = 0.2519\)
よって、95 %信頼区間は約 \((0.196, 0.252)\) となる。
従って、正解は ② である。
[2]
1. 前提条件の確認
- イチロー選手の割合:\(\hat{p}_1 = 0.224\)
- 錦織圭選手の割合:\(\hat{p}_2 = 0.169\)
- 標本サイズ:\(n = 857\)
ここで重要なのは、「1回の調査の同一の標本(857人)」に対し、「好きな選手を1人だけ」選ばせているという点である。つまり、1人の回答者がイチロー選手と錦織圭選手を同時に選ぶことはない(排反である)。
このような同一標本における割合を比較する場合、片方が増えればもう片方が減るという「負の相関関係」があるため、完全に独立した2つの調査を比較するときの計算式は使えない。
2. 同一標本における比率の差の分散の公式
多項分布の性質から、同一標本における割合の差の分散 \(V(\hat{p}_1 – \hat{p}_2)\) の推定値は以下の式で表される。
\(V(\hat{p}_1 – \hat{p}_2) = \frac{\hat{p}_1 + \hat{p}_2 – (\hat{p}_1 – \hat{p}_2)^2}{n}\)
3. 計算
\[V(\hat{p}_1 – \hat{p}_2) = \frac{0.393 – 0.003025}{857} = \frac{0.389975}{857} \approx 0.0004550\]
求める標準偏差は、この分散の平方根である。
\[\sqrt{0.0004550} \approx 0.02133\]
従って、正解は ⑤ である。


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